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成立いたしません。東京でも小屋貸しのコストは1シート単価1000円、大阪は多少安くて800円とか700になっているかと思いますけれども、それでも正規に800円掛ける898で小屋貸し料金を設定しても、借りてくれるところはありません。ですから、14社の企業にサポーティングをお願いしております。2年契約で年間何千万円というお金を出していただいて、それを劇場の裸の運営費に少しでも充当する、こういうやり方で何とか4年を経過してまいりました。
もちろん、阪神大震災とか、こういう経済の冷え込みとかで、今後永久的にサポーティング企業の皆様がお金を出していただけるか、非常に心もとないわけですけれども、そういうことを踏まえてプロデュースすることの難しさは一入でございます。もちろん協賛、あるいは冠というものが企画書1枚で潤沢に右から左へとれた時代はもうバブルの絶頂期のことでございます。それはクラシック音楽界が今一番四苦八苦している。外来のオーケストラだったら幾らでもお金を出した企業がたくさんいた時代がなくなりましたので、これからどういうふうになりますか分かりませんけれども、プロデューサーの最も重要なのはアートマネージメントでございます。
話は先に進みますが、プロデューサーなるもの、個人ではできません。山の中にひとりで仙人暮らしをしていればいい知恵が浮かぶかと思えば、それはなかなかできません。やはりライバルの興行会社のプロデューサーとの雑談、あるいはライバルのプロデューサーがすばらしい仕事をした、それを見てこんちくしょうというその発奮、そういう刺激から次の企画、これに負けない、これに匹敵する、あるいはこれの7号目ぐらいまでは何とかできるというようなことがあると思います。
ですから、そういう横のつながり、もちろんこういうところへご列席の方々の横のおつながりは十分ございましょうけれども、やはり民間の劇場へのそういう接触の仕方、あるいは演劇を非常に愛しておられる財界人、あるいは学校の先生、それはもう年齢の高低にかかわらず、そういう方々との時間の中でいい企画というのは生まれて、あるいは企画のヒントというのが出てくるかと思います。だから、人脈というものは、情報収集という意味でも非常に重要なものでございます。もちろん、松竹のプロデューサーにギャラの話を持ちかけて、あの役者は幾らのギャラを払ったんだというようなことを聞いても、正確な数値は企業秘密なのか、教えてくれませんけれども、それらしき推理ができるぐらいのつき合いが何人もあれば、非常に役に立つかなということでございます。
ですから、公文協の情報ルートでお流しする劇団のコストなんていうものはでこぼこは

 

 

 

 

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